setup@自宅環境
はじめに
自宅の PC などに C/C++ 環境を設定したい人むけの文章です。
環境構築には最低限以下のものが必要になります。
- テキストエディタ
- C言語コンパイラ
ここでは、テキストエディタとしてVisual Studio Code(VS Code)、 C言語コンパイラとしてgcc (or clang (llvm)) を、デバッガとして gdb (or lldb) を使えるようにします。
VS Code インストール
Windows でも Mac でも、Visual Studio Code 本体のインストールは簡単です。 拾ってきて実行もしくは配置するだけです。Windows では、Microsoft Store からのインストールも可能です。
ただ、標準で C/C++ 環境などが入っているわけではないので、少し準備が必要です。
gcc インストール
OSによって方法が変わります。
Windows + MinGW
(2023年 8月 1日時点情報)
ちょっと手間になるんですが、以下の手順を踏むのが早い気がします。
注:
TrendMicro Apex One など、信頼すべきプログラムを一個一個登録しないといけない Virus Checker を使っている場合は、Windows + WSL をお勧めします。- 7zipから 7zip のインストーラーをダウンロードして、インストールしましょう。zip や 7z 形式のファイルの展開ツールです。
- mingw-w64.orgをインストールするのですが、mingw-builds-binariesからファイルをダウンロードします。 鎌田は Win11 と
x86-64.....win32-seh-msvcrt......7z
で動作確認しました。- さきほどインストールした 7zip をつかって展開しましょう。
- ファイルの中に
mingw64
directory にbin, include
みたいなファイル群が見えると思います。そのmingw64
をC:\MinGW
としておきましょう。C:\MinGW\bin
やC:\MinGW\include
のファイル群を VScode の C拡張が自分で見つけてくれるようになります。 - プログラムを実行しても標準出力がでないときや、
lib**** が見つかりません
などという表示がでた場合は、Path
にC:\MinGW\bin
を追加してください。Windows の設定画面の検索窓に、「環境変数」といれると「環境変数の編集」という選択肢がでるので、選びましょう。ユーザ環境設定のPath を「編集」してC:\MinGW\bin
を追加しましょう。
あと、追加で、git のインストールもおこないましょう。 これは、git scm の Installer 版をダウンロード&実行すれば、VS code が勝手にみつけてくれるようです。
この環境なら、VS code の C環境は launch.json, tasks.json は自分でつくってくれるかと思います。
トラブルシュート
- VS code の挙動が変だという場合は、まず、新規ウィンドウで新規フォルダを開いて、hello.c でも作成してみてください。
- それでも、VS code が正しく動かない場合は、設定ファイルを削除してみましょう。下記 directory を削除してみてください。
C:\Users\YourName\.vscode
: この directory 以下に extension などが配置されます。C:\Users\YourName\AppData/Roaming/Code/
: こちらにユーザ設定などが保存されているようです。
Windows + WSL
WSL は、Windows 環境で Linux を手軽に使えるものです。VS Code は Windows にいれて、WSL 側のコンパイラやデバッガを利用可能です。 gcc, gdb などは、WSL 側で apt などでインストールすることになります。 Linux に慣れていない人にはお勧めしませんが、これを機会に Linux を使ってみたい人は、WSL を使ってみるといいかも。
簡単に手順を紹介しておきます。
最初の準備(手短に。色々資料あると思うので)
- WSL のインストール:microsoft のページ
- 基本、power shell を起動して、
wsl --install
して指示に従うだけ。ubuntu がインストールされるはず。 - 最後にユーザ名とパスワードを聞かれます。パスワードは、後で管理作業をおこなうとき必要になります。
- WSL を起動しても、別にデスクトップがでる訳ではなく、ターミナルがでるだけ。逆に、普通にターミナルを起動して、新規タブから Ubuntu を選ぶこともできます。
- コンパイラと debugger をインストールしましょう。sudo コマンドは、管理者権限でコマンドを実行するためのもので、前述のパスワードが要求されます。
sudo apt update
sudo apt upgrade -y
sudo apt install gcc gdb
- ちなみに、ソフトウェアのアップグレードは、
sudo apt update
をしてからsudo apt upgrade -y
を実行することになります。
- WSL のファイルへは、Windows のエクスプローラー画面からアクセス可能です。
PC
,ネットワーク
などと並んでLinux
ってのがあるはず。その下のUbuntu
→home
→ユーザ名
で、WSL内の home にアクセス可能です。クイックアクセスに登録することもできる。
VS Code の準備
- VS Code の左側メニューの下の方に extension (拡張機能)という選択肢があります。 そこで、
WSL
を検索すれば、Microsoft 提供の plugin がみつかるはず。インストールボタンを押しましょう。
VS Code 起動時
- VS Code の上側メニューの
表示
→コマンドパレット
で、WSL
と入力するとWSL でフォルダーを開く
という選択肢がでて、Ubuntu 内の directory を開くことができます。先に、作業用 directory を作っておくとよいでしょう。- 左下のところに、
WSL:Ubuntu
などの表示がでていれば、WSL モードでのアクセスになります。
- 左下のところに、
- あとは、一般の VS Code と同じようにつかえばOK.
- ファイルは WSL 世界にあるので、ご注意を。エクスプローラー経由でアクセスしてもいいし、VS Code 画面でファイルを右クリックすれば、ダウンローの選択肢が現れるはず。
Mac
Xcode をインストールすると、gcc (という名前の clang ) と lldb(デバッガ) が入るはずです。Xcode のインストール方法は適当に各自検索してください。
ターミナルで以下のコマンドを打ってバージョンが表示されればOKです。
gcc --version
lldb --version
トラブルシュート
- VS code の挙動が変だという場合は、まず、新規ウィンドウで新規フォルダを開いて、hello.c でも作成してみてください。
- それでも、VS code が正しく動かない場合は、設定ファイルを削除してみましょう。下記 directory を削除してみてください。
/Users/yourName/.vscode
: この directory 以下に extension などが配置されます。/Users/yourName/Library/Application Support/Code/
: こちらにユーザ設定などが保存されているようです。
Linux
Linux つかいのあなたは、自分で検索すれば手順はすぐわかるはず。apt
で gcc
と gdb
入れてください(llvm 系でもいいですし)。
VS Code の設定
C/C++ 環境
- extension ボタンの入力フォームで C/C++ を選んでインストールボタンを押しましょう。
日本語環境
- コマンドパレット経由で、いろんな設定が可能です。View->Command Palette からアクセスします。
- コマンドパレットの入力欄で、configure display language とか入力して、希望言語 (ja) を選んでおしまい。
- まだ対象言語をインストールしてない場合は、additional language を選んで、インストールしたい言語を選びましょう。
Git repository からの checkout
- コマンドパレット(メニューで)で、
git
と入力しすれば、Git: clone
を選択できるはず。 - そこで、git repository の clone 用 location 情報を入力しましょう。github などの repository 用ページを見た際、
clone
ボタンをクリックすれば乗っている情報を copy&paste すれば OK です。- WSL 側で作業したい場合は、WSL モードであることを確認してから(ウィンドウ左下に表示)。WSL モードじゃない場合は、コマンドパレットから
WSL のフォルダーを開く
などを選択。
- WSL 側で作業したい場合は、WSL モードであることを確認してから(ウィンドウ左下に表示)。WSL モードじゃない場合は、コマンドパレットから